私の日記

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背中

佐藤愛子さんと言えば、御年90歳を越えて益々元気な作家である。
この人のエッセイは、好きなのでよく読んでいたが、年を取って思い出す一節がある。
佐藤さんが、今の私よりも若い頃に書かれたものだと思う。評論家の故石垣綾子さんにパーティーで会った時のことだ。
石垣綾子さんは、今なら珍しくもないが、お年を召しても鮮やかな衣装で活躍していられた方だが、その日も華やかな衣装で佐藤さんと談笑した。
「石垣さんが、私は鮮やかなものしか似合わないの、そう言って立ち去ったときの、彼女の背中が丸かった」
エッセイの最後にそう佐藤さんは書いていた。
老いは背中に現れる。正面は自分で確かめられるが、後ろを確認するのは難しい。
歩くとき、思い出すと、背筋を伸ばしている私です。

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by sekizono | 2018-05-13 11:12